シャワーで油性ペンを落とすCMをご覧になったことがありますか?
特殊な洗剤をつけたわけではなく、ごく微小な泡を含む水またはお湯が出てくるシャワーによって油性ペンのインクが肌から浮き上がり、水とともに流れ落ちる驚きのCM。
最近、ファインバブルやウルトラファインバブルと呼ばれる ごく微小な泡の力が着目されています。
こちらの記事では、言葉の意味や様々な業界での活用について、ご紹介しますね。
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ファインバブルって何?
ファインバブルはとても小さい泡で、直径が100μm(=0.1mm)より小さなものが当てはまります。
さらに、泡のサイズによって次のような名称で呼び分けられています。
呼び方 | 泡のサイズ |
マイクロバブル | 直径1μm~100μm |
ウルトラファインバブル | 直径1μm未満 |
マイクロバブルとウルトラファインバブルの違い
泡のサイズだけでなく、マイクロバブルとウルトラファインバブルには、見た目にも違いがあります。
マイクロバブルを含んだ水
マイクロバブルを含んだ水は、白っぽく濁っていて、時間とともに水に含まれる気泡がゆっくりと上へと浮かび上がり、やがて気泡は水表面より空気中に逃げていきます。
ウルトラファインバブルを含んだ水
ウルトラファインバブルが溶け込んだ水は透明で、刺激のない環境下では気泡は、水に溶けたり表面に浮かび上がったりしません。
そのため、数週間~数カ月、バブルが水中に留まり続けたという報告もあるようです。
ファインバブルの活用について
様々な産業分野での活用が始まっており、各所で安全性についても検証がすすんでいるそうです。
ファインバブル産業会(FBIA)では、空気によるファインバブルについて、安全性試験を実施しています。
単回投与毒性試験では、4.6億個/mL以上のファインバブル水20mL/kgをマウスに経口投与して毒性を認めませんでした
どのような分野で取り入れられているの?
産業分野
「頑固な汚れを落としたい」とか「洗浄にかける時間を削減したい」という場合などに、ファインバブルを活用した洗浄が導入されています。
農業分野
ウルトラファインバブルを活用することで、作物の根の酸欠状態を防ぎ、作物が元気に成長したり、たくさん採れたりしています。
飲食業界
ウルトラファインバブルを含む水に浸けることで、水揚げされた鮮度を長時間保持する最新技術によって鮮魚を届ける仕組みが流通で活用されています。
また、厨房向けのファインバブル製品を導入することで、「少ない水量でグラスや食器の洗浄状態が向上した」など、節水効果がいち早く確認されています。
今回の実証実験によって、節水性能を確認したことに加え、従業員アンケート結果から、少ない水量でグラスや食器の洗浄状態が向上したことがわかりました。又、従業員からは、「什器に輝きがでて綺麗になった(特にシルバー類)」「油汚れが容易によく落ちる」「油のぬめりが以前より短時間での洗浄でなくなりました」等の声がありました。
環境分野
ウルトラファインバブルの活用によって菌やウイルスの増殖を抑えるなど、殺菌・除菌に活用されています。
他にも、水などの液体の洗浄力をあげるために用いられています。
特に、油汚れの除去効果は様々な実績が出ているようで、油分や異物に気泡がくっついて、汚れを取り込んだ気泡が水中に動いていく際に汚れも一緒に除去したりします。
美容分野
ウルトラファインバブルの洗浄作用により、通常では洗い流すことのできない汚れや皮脂を取り除くことができるため、サロンなどでの導入実績も多くなっています。
近年、自宅用のシャワーヘッドや浴室にもファインバブルの出る商品が出てきています。
ペット分野
ウルトラファインバブルを含んだお湯のでるシャワーは、優しいミストなのに、水と空気の力だけで汚れを落とせるので、皮膚の弱いペットや、シャワーを怖がるペットを飼っていらっしゃる場合に喜ばれています。
様々な分野ですでに実績のある技術
チェックの厳しい産業分野や飲食店業界などでも、実際に活用されているファインバブルの技術。
だからこそ、ご家庭内の商品としてラインナップされているものも安心して利用できます。
特に、家庭用のシャワーやキッチンに取り入れられている商品は、泡の部分は空気です。
つまり、水の力に空気の力をプラスして洗浄力をUPしているので、安心です。
ファインバブル活用の展望
日本国内だけでなく国外においても、ファインバブル技術の普及が進んでいます。
さらに、こちらの調査などによりますと、SDGsや地球環境保護の問題に対応したファインバブルの活用が進む可能性が考えられています。
家庭用としても、トイレや洗面所、外壁などの洗浄など、水を用いるあらゆる部分にファインバブルの技術が活用されそうですね。
わたしたちの暮らしが、どんどん快適なものになっていくような気がして、とても楽しみです。